最高級マウス「Logicool MX Master 3」を購入してから5ヶ月が経過した。
一万円以上するマウスであるため、購入を長い間ためらっていた。これまで使用していたマウスは3000円台の「ロジクールM705」。値段が倍になるどころではない、いきなりプラス一万円なのだから迷いに迷った。
結論から言うと「最高のマウス」であった。私なりの徹底的なレビューをしていく。
良かった点
「電磁式ホイール」は圧巻
「ホイール回転切り替えボタン」を押すことは一切なくなった…「MX MASTER 3」はフリースピンを自動で切り替えられるのである。
M705を購入したとき、一番の目玉は「高速ホイール/フリースピン」だった。ホイールは普通、トットット…という感じで一定の量を回すごとに引っかかる感覚(ノッチ)があり、これによって数行ごとのスクロールを可能にしている。M705は、引っかかる/引っかからない(フリースピン)を専用ボタンを押して切り替えることができるため、ブラウザでの閲覧やExcelでの作業で大きな力を発揮する。
M705では物理的に引っかかる仕組みのホイールだったのだが、なんとこのMX Master 3は「磁力」なのである。正確には、MagSpeed電磁気スクロールホイールと呼ばれる。確かにマグネットのくっつく/離れる磁力の感覚を、スクロールするごとにうっすらと感じる。この電磁気スクロールホイールは、自ら任意に設定したスピードで、自動的にフリースクロールに移行する。これがとても快適で、M705では毎回ボタンを押して切り替えていたものがMX Master 3では自動になったため、大幅に作業効率が高まった。
「狙ったところにカーソルが行く」がわかった
4000 dpiの威力を思い知った。
マウスの性能を表す一つの指標であるセンサーのDPI(Dots Per Inch)の値は、M705は1000 dpiなので、単純比較すると数値は4倍になったわけだが、これがすごかった。
もうM705には戻れない程にカーソルがなめらかに動くのである。ちなみに、M705ではカーソルの移動速度を最高に設定してある。それでもMX Masterは、はるか上を行くと感じた。
「狙ったところにカーソルが行く」という宣伝文句はゲーミングマウスでよく見るが、そりゃあ手でマウスを繊細に操作すればカーソルは狙ったところにいくよな、と思っていた。
大きな間違いだった。
マウス側が高性能であることによって、使用者が同じでもここまで変化するのかと驚いた。ディスプレイ上のボタンを押し間違えるというミスが、大幅に減ったのを体感している。いうてもM705も価格的にはミドルスペックのマウスである。そこら辺のマウスに比べればM705は遥かに快適であり、私も購入当初はそのなめらかに大変満足していた。
指の痛みが軽減された
不具合が起きていたものの即時に買い換える必要はなかったM705だが、どうしても新しいマウスを買わなければならなかった。
指の腱鞘炎である。
このコロナ渦でマウスの使用頻度が劇的に上がっていた。ほぼ一日中クリックを続ける中で、寝る前には指が悲鳴を上げていたのである(キーボードを併用する術を学ぶ機会ともなった)。これをなんとかして解消できないかと考えた結果、思い切ってMX MASTER 3を購入する決意ができたのである。
これが大正解、MX Master 3を使用し始めてからは指の痛みが徐々に引いていき、現在は全く無い。正直、はっきりとした理由はわからないのだが、MX Master 3が人間工学に基づくデザインであるために、無理のない手の姿勢からの操作が可能になったのだと考えている。
デバイスの切り替えは一瞬
MX Master 3の大きな特徴の一つは、マウス下のボタンで、最大3台のデバイス間で瞬時に切替可能なことだ。この切替速度が気になっている方もいるだろう。
一瞬である。
私はメインPCをUSB接続(無線のUnifying)で、サブPCをBluetoothで接続しているのだが…マウス下のデバイス切り替えボタンを押し、マウスをデスクに置き直したときにはもう繋がっている。こういうわけで、切替速度が気になったことがないどころか、もはや切り替えそのものを意識せずに使用することができる。
サムホイール
横スクロールの快適性が格段に上がる。エクセルなどのソフトウェアについては言うまでもないが、YouTubeの動画再生にも便利さは活きてくる。サムホイールに左右矢印を割り当てることによって、動画の10秒スキップが快適にできるようになった。
大きさは問題にならなかった
店頭でMX Masterを試したときに、真っ先に浮かんだ感想が「これは大きい」だった。店頭に並んでいたマウスの中でも、MX Masterほど大きいマウスは数少なかった。この大きさも、MX Masterを購入するか迷っていた一つの悩みどころであった。
しかし、実際に使用してみてわかったのが、この大きさこそがMX Masterの快適性に大きく寄与しているのではないかということだ。マウスを大きくすることにより、マウスによって自然に手が快適な姿勢になる。常に正しい姿勢でマウスを握るようになったことによって、身体の負担を軽減しているようだ。
もう一歩な点
静音性
これは人によって好みが違うかと思うが、マウスには静音性を求めたい。M705とMX Master 3を比較すると、MX Master 3の方が若干クリック音が大きいように聞こえる。
付属ソフト「Logicool Options」の安定性
MX Masterの様々なボタンやFlowといった機能を設定する専用ソフトウェアであるLogicool Optionsが、どうも私の環境では安定しない。各ソフトに割り当てた設定がLogicool Optionsの気まぐれで適用されていないこともあるため、Logicoolにはソフトの安定性を改善してもらいたい。
結論
胸を張って人に薦められるマウスである。ただ、百聞は一見にしかず。体験してから判断することをおすすめするが、私のように店頭ではサイズが大きいと思ったMX Masterが、何も問題なかったどころか、むしろ快適だと感じるようなこともあるということを、最後にお伝えしたい。
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