全日本剣道選手権を史上最年少で制し、2024年には10年ぶり2度目の優勝を果たした竹ノ内佑也選手。
高校時代の竹ノ内選手は、福大大濠高校の一員として、すでに全国の舞台で圧倒的な存在感を示していた。
インターハイ団体戦には1年時から3年連続で出場。3年間の通算成績(インターハイ団体)は驚異の16戦13勝0敗3引分け。一度も敗れることなく、1年時は全国3位、2年時も全国3位、そして3年時には全国優勝を果たしている。
さらに、玉竜旗では2年時から大将を務め、2010年・2011年の二連覇に貢献。特に2011年は、全国選抜と魁星旗が東日本大震災の影響で中止となるなか、夏の全国大会で福大大濠の強さを示す重要な年となった。
この記事では、玉竜旗とインターハイの試合表をもとに、竹ノ内佑也選手の福大大濠高校時代の戦績を振り返っていく。
玉竜旗2009(1年時)
1年生ながら副将で出場。準々決勝で敗退となったが、その相手は優勝した明徳義塾高校であった。なお当時の明徳義塾高校の監督は、現福大大濠高校監督の森大樹監督である。
準々決勝
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
宮田 | 高倉 | 樫原 | 竹ノ内 | 秀徳 | × |
|
|
||||||
| 明徳義塾 (高知) |
○ | |||||
| 森本 | 土居 | 表原 | 宮本 | 塩谷 | ||
インターハイ2009(1年時)
福大大濠に入学した竹ノ内佑也選手は、1年生にしてインターハイ団体戦のレギュラーに入った。
まず、それだけで並の選手ではない。福大大濠のような全国屈指の強豪校で、1年生が夏の全国大会に出場するだけでも相当なことである。
しかし、本当に驚くべきは、出場したことそのものではない。
その戦績である。
2009年のインターハイで、福大大濠は男子団体第3位。竹ノ内選手はその中で4勝0敗1引分けという成績を残した。1年生でありながら一度も敗れず、全国3位という結果に大きく貢献している。
ここまでの成績を残せば、もはや「将来有望な下級生」というだけではない。すでにチームに欠かせない戦力であり、主力の一人だったといってよい。
1年生で福大大濠のレギュラーに入り、全国の舞台で負けなし。
竹ノ内佑也選手の高校剣道は、この2009年の時点ですでに特別なものだった。
予選リーグ いなべ総合
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
高倉 | 竹ノ内 | 宮田 | 樫原 | 秀徳 | ○ 4(6) |
| メ | メ | メ | メ | |||
| 反 | メ | |||||
| いなべ総合 (三重) |
× 0(0) | |||||
| 小崎 | 渡辺 | 吉田 | 市川 | 久留宮 |
予選リーグ 秋田南
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
高倉 | 竹ノ内 | 宮田 | 樫原 | 秀徳 | ○ 4(6) |
| コ | ド | メ | メ | |||
| メ | メ | |||||
| 秋田南 (秋田) |
× 1(1) | |||||
| メ | ||||||
| 佐藤 | 菊池 | 柏木 | 新泉 | 畠山 |
決勝トーナメント1回戦 市立沼田
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
高倉 | 竹ノ内 | 宮田 | 樫原 | 秀徳 | ○ 3(4) |
| 反 | メ | メ | ||||
| ド | ||||||
| 市立沼田 (広島) |
× 1(1) | |||||
| ド | ||||||
| 桐木 | 近重 | 平野 | 平本 | 高岡 |
準々決勝 西大寺
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
高倉 | 竹ノ内 | 宮田 | 樫原 | 秀徳 | ○ 2(3) |
| メ | メ | |||||
| メ | ||||||
| 西大寺 (岡山) |
× 0(0) | |||||
| 宮本 | 川井 | 中本 | 鶴海 | 日下 |
準決勝 水戸葵陵
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
高倉 | 竹ノ内 | 宮田 | 樫原 | 秀徳 | × 1(2) |
| メ | メ | |||||
| 水戸葵陵 (茨城) |
○ 2(3) | |||||
| メ | メ | メ | ||||
| 高倉 | 飯塚 | 遅野井 | 青木 | 山下 |
玉竜旗2010(2年時)
高校2年生ながら福大大濠の大将を任され、決勝の相手は九州学院。試合は大将戦までもつれ、最後は延長で引き小手を決めて決着。福大大濠は6年ぶり5度目の優勝を果たし、竹ノ内選手自身も男子優秀選手賞の筆頭に名を連ねた。
この大会が特別なのは、単に「2年生大将で優勝した」からではない。玉竜旗という勝ち抜き戦の舞台で、最後の勝負を任される大将に座り、重圧のかかる決勝の大将戦で一本を取り切ったことに意味がある。のちに全日本の頂点へ駆け上がる竹ノ内選手の勝負強さは、この時点ですでに高校剣道の大舞台に現れていた。
準々決勝 大分
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
平井 | 梅ヶ谷 | 川原 | 樫原 | 竹ノ内 | ○ |
|
|
||||||
| 大分 (大分) |
× | |||||
| 佐藤 | 首藤 | 梶原 | 伊藤 | 佐藤 | ||
準決勝 桐蔭学園
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
平井 | 梅ヶ谷 | 川原 | 樫原 | 竹ノ内 | ○ |
|
|
||||||
| 桐蔭学園 (神奈川) |
× | |||||
| 平井 | 東海林 | 嘉数 | 兵藤 | 北川 | ||
決勝 九州学院
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
平井 | 梅ヶ谷 | 川原 | 樫原 | 竹ノ内 | ○ |
|
|
||||||
| 九州学院 (熊本) |
× | |||||
| 榎本 | 古田真 | 古田和 | 辻 | 東郷 | ||
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
平井 | 梅ヶ谷 | 川原 | 川原 | 樫原 | 竹ノ内 | ○ |
| メ | コ | ||||||
| 九州学院 (熊本) |
メ | × | |||||
| メ | |||||||
| 榎本 | 古田真 | 古田真 | 古田和 | 辻 | 東郷 | ||
| 先鋒 | 次鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 |
インターハイ2010(2年時)
玉竜旗を制した直後のインターハイで、福大大濠は再び全国上位へ進出した。最終結果は3位。優勝には届かなかったが、竹ノ内選手は副将としてチームを支え、負けなしの内容を残している。福大大濠は玉竜旗の勢いを保ったまま、高輪、九州学院などを破ってベスト4へ進んだ。
予選リーグ 仙台育英
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
梅ヶ谷 | 窪 | 川原 | 竹ノ内 | 樫原 | ○ 4(4) |
| メ | メ | メ | メ | |||
| 仙台育英 (宮城) |
× 0(0) | |||||
| 黒木 | 小川 | 青木 | 高橋 | 遠藤 |
予選リーグ 汎愛
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
梅ヶ谷 | 窪 | 川原 | 竹ノ内 | 樫原 | ○ 2(3) |
| メ | メ | |||||
| メ | ||||||
| 汎愛 (大阪) |
× 1(1) | |||||
| コ | ||||||
| 濱下 | 江島谷 | 東山 | 増田 | 盛田 |
決勝トーナメント1回戦 高輪
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
代表戦 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
梅ヶ谷 | 平井 | 川原 | 竹ノ内 | 樫原 | □ 2(3) | 樫原 |
| メ | メ | メ | |||||
| メ | |||||||
| 高輪 (東京) |
コ | □ 2(3) | |||||
| メ | メ | ||||||
| 小林 | 長谷川 | 菅原 | 斉藤 | 岩瀬 | 岩瀬 |
準々決勝 九州学院
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
梅ヶ谷 | 平井 | 川原 | 竹ノ内 | 樫原 | ○ 4(8) |
| メ | メ | メ | メ | |||
| メ | 反 | メ | ド | |||
| 九州学院 (熊本) |
× 0(1) | |||||
| ド | ||||||
| 古田和 | 古田真 | 辻 | 榎本 | 東郷 |
準決勝 高千穂
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
代表戦 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
梅ヶ谷 | 平井 | 川原 | 竹ノ内 | 樫原 | □ 1(1) | 樫原 |
| メ | |||||||
| 高千穂 (宮崎) |
□ 1(1) | ||||||
| ド | コ | ||||||
| 神宮司 | 佐藤 | 加藤 | 池田 | 本村 | 加藤 |
玉竜旗2011(3年時)
2011年は、竹ノ内選手と福大大濠にとって特別な一年だった。春の全国選抜は東日本大震災の影響で中止となり、魁星旗も同じく中止。夏の玉竜旗がこの年最初の本格的な全国大会となった。
その舞台で、福大大濠は連覇を果たす。前年は「2年生大将」として注目された竹ノ内選手だったが、この年は3年生の大将として、チームを背負う立場そのものが変わっていた。福大大濠は準決勝で桐蔭学園、決勝で水戸葵陵をいずれも大将戦で退けて優勝。竹ノ内選手も優秀選手賞に選出されている。
準々決勝 鎮西
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
赤木 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ |
|
|
||||||
| 鎮西 (熊本) |
× | |||||
| 斎藤 | 熊谷 | 中村 | 上原 | 阪口 | ||
準決勝 桐蔭学園
桐蔭学園戦の詳細な試合表はない。
決勝 水戸葵陵
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
赤木 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ |
|
|
||||||
| 水戸葵陵 (茨城) |
× | |||||
| 若旅 | 平沢 | 諏訪 | 若旅 | 高倉 | ||
インターハイ2011(3年時)
2011年のインターハイは、竹ノ内選手の高校剣道を語るうえで外せない大会である。玉竜旗二連覇のあとに迎えた夏の総決算で、福大大濠は男子団体優勝。前年のインターハイ3位から、ついに頂点へ届いた。
この優勝が強烈なのは、勝ち上がりの内容にある。準決勝、そして決勝はいずれも簡単な勝利ではなく、チームとして追い込まれた状況から勝ちを拾い切った。特に決勝の小山戦では、大将戦に回った時点で福大大濠は苦しい状況にあり、竹ノ内選手が二本勝ちしなければ優勝できない場面だった。
そこで竹ノ内選手は、迷いなく勝負を終わらせた。決勝の大将戦で見せた二本の面は、後年まで語られる一本となり、「三振りで勝負を決めた」と表現されるほど鮮烈だった。玉竜旗の大将として連覇を決め、インターハイの大将として全国優勝を決める。
予選リーグ 富士河口湖
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
志賀 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ 4(5) |
| メ | メ | メ | メ | |||
| メ | ||||||
| 富士河口湖 (山梨) |
× 0(0) | |||||
| 梶原 | 渡辺 | 餌取 | 菅原 | 松村 |
予選リーグ 長野商業
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
志賀 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ 4(6) |
| メ | メ | ド | メ | メ | ||
| メ | ||||||
| 長野商業 (長野) |
× 0(1) | |||||
| メ | ||||||
| 中島 | 矢口 | 青木 | 市岡 | 小宮山 |
決勝トーナメント1回戦 高山西
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
志賀 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ 4(4) |
| ド | メ | コ | コ | |||
| 高山西 (岐阜) |
× 1(1) | |||||
| コ | ||||||
| 飯山 | 内村 | 玉井 | 岩佐 | 紺谷 |
準々決勝 高輪
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
志賀 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ 4(5) |
| メ | メ | コ | メ | |||
| メ | ||||||
| 高輪 (東京) |
× 1(1) | |||||
| メ | ||||||
| 兵藤 | 大高 | 梶原 | 小林 | 長谷川 |
準決勝 安房
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
志賀 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ 2(4) |
| メ | ド | メ | ||||
| メ | ||||||
| 安房 (千葉) |
ド | × 2(3) | ||||
| メ | メ | |||||
| 田中 | 小川 | 杉本 | 賀川 | 千葉 |
決勝 小山
| 団体名 | 先鋒 | 次鋒 | 中堅 | 副将 | 大将 | 勝者数 (取得本数) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 福大大濠 (福岡) |
志賀 | 小川 | 梅ヶ谷 | 平井 | 竹ノ内 | ○ 2(4) |
| メ | メ | メ | ||||
| メ | ||||||
| 小山 (栃木) |
× 2(3) | |||||
| メ | メ | メ | ||||
| 臼井 | 藤田 | 安良岡 | 柳田 | 市川 |
おわりに
戦績をまとめる。
| 学年 | ポジション | 戦績 |
|---|---|---|
| 1年 | 次鋒 | 5戦 4勝0敗1引分け |
| 2年 | 副将 | 5戦 4勝0敗1引分け |
| 3年 | 大将 | 6戦 5勝0敗1引分け |
この戦績はおそらく史上最高ではなかろうか。調べられるほどのデータを持っていないのが悔やまれる。
3年連続でベスト4入りする強豪校で1年からレギュラー、レギュラーとしてもトップクラスの戦績となると、竹ノ内選手が高校3年生だった2011年以降の15年間は現れなかった。
ただ、この竹ノ内選手の後には、
- 大将が玉竜旗11人抜きで制覇+大学1年でインカレ個人を制する梅ヶ谷選手
- 2年連続高校四大大会制覇+個人制覇の星子選手
が登場することになるとは、誰が予想できただろうか。今後も高校剣道から目が離せない。

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