全国47都道府県の全日本剣道選手権大会の予選の結果を一覧にしました。
各都道府県予選で上位の成績を収めた選手が、令和3年11月3日に開催予定の第69回全日本剣道選手権大会に出場します。
2021年 第69回全日本剣道選手権大会 結果
優勝 :星子啓太選手
準優勝:林田匡平選手
第3位:村山仁選手、山田将也選手
予選の結果一覧(ベスト4)
緊急事態宣言等によって、当初の予選開催日から延期になる都道府県が多数ありました。各都道府県剣道連盟のページで大会延期の連絡をしない、結果の掲載をしない都道府県も多いため、開催日は参考程度にしてください。
全日本選手権に出場する選手は太字で記しています。
北海道・東北
都道府県 | 開催日 | 優勝 | 所属等 | 第2位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 9月11日 | 地白充大 | (札幌南区) | 安藤翔 | (札幌南区) | 今村一誌保 | (札幌南区) | ||
青森 | 髙田達 | ||||||||
岩手 | 7月25日 | 菅野隆介 | (福陵) | 渡邊達郎 | (花巻市剣道協会) | 岩崎龍一郎 | (福陵) | 岩崎悠二郎 | (福陵) |
宮城 | 6月13日 | 武田直大 | (石巻) | 五十嵐雅道 | (登米市) | 鈴木健太 | (若林区) | 古畑健吾 | (若林区) |
秋田 | 7月31日 | 金森康臣 | (秋田南高教) | 桧山大晟 | (秋田北鷹高教) | 及川拓 | (中央大) | 鷲谷和 | (聴覚支援学校教) |
山形 | 澁谷樹 | ||||||||
福島 | 8月29日 | 三田大輔 | (福島) | 渡部稜也 | (福刑) | 下重成彌 | (福島) | 八巻裕介 | (本宮) |
関東
都道府県 | 開催日 | 優勝 | 所属等 | 第2位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 |
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茨城 | 9月26日 | 佐々木陽一朗 | (教員) | 矢口二三也 | (刑務官) | 山下和真 | (教員) | ||
栃木 | 大平翔士 | ||||||||
群馬 | 9月20日 | 納谷樹 | 黒澤哲也 | 須藤直則 | 堀越光朗 | ||||
埼玉 | 8月21日 | 足立柳次 | 棈松慎治 | 泉英太 | 福居義久 | ||||
千葉 | 8月28日 | 佐藤弘隆 | (千葉市) | 山本大喜 | (夷隅) | 白鳥湧也 | (浦安市) | 本間渉 | (千葉市) |
東京 | 9月4日 | 竹ノ内佑也 | (警視庁) | 矢野貴之 | (警視庁) | 畠中宏輔 | (警視庁) | 宮本敬太 | (警視庁) |
神奈川 | 9月11日 | 勝見洋介 | (神奈川県警) | 村山仁 | (神奈川県警) | 野村洋介 | (神奈川県警) | 齊藤和也 | (神奈川県警) |
※埼玉代表の棈松選手の「アベ」の字は、正しくは「木偏に青」である。
北信越・東海
都道府県 | 開催日 | 優勝 | 所属等 | 第2位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 |
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新潟 | 7月23日 | 吉田新 | 高橋吉孝 | 野瀬大輔 | 木立快 | ||||
富山 | 9月5日 | 寺島光紀 | (富山) | 西裕太郎 | (富山) | 菊池和史 | (砺波) | 永森駿一 | (砺波) |
石川 | 7月4日 | 中村文哉 | (野々市市剣道協会) | 供田崇弘 | (金沢大学) | 西川広晴 | (大阪教育大学) | 尾﨑泰之 | (金沢刑務所) |
福井 | 6月27日 | 林田匡平 | (学剣連) | 辻内勇介 | (福井地区) | 楠原北斗 | (福井地区) | 梅田圭仁 | (学剣連) |
山梨 | 7月17日 | 平子湧也 | (国士舘大学・学生) | 中田圭紀 | 澤田祐太 | 海老沢亮太 | |||
長野 | 6月27日 | 矢野博之 | (文化学園長野高等学校教員) | 中村諒 | (佐久長聖中学校教員) | 熊谷伸昭 | (飯田下伊那支部) | 深町将司 | (波田中学校教員) |
岐阜 | 8月8日 | 杉田龍太郎 | (鹿屋体育大学・学生) | 江口海里 | 村瀬颯哉 | 大橋賢也 | |||
静岡 | 7月11日 | 長田悠樹 | (富士市) | 菊池竜平 | (御前崎市) | 二橋光哉 | (浜松) | 村川雄輝 | (静岡市) |
愛知 | 9月5日 | 久田松雄一郎 | (愛知県警) | 山田将也 | (NTT) | ||||
三重 | 6月27日 | 和田優人 | (紀南支部) |
近畿
都道府県 | 開催日 | 優勝 | 所属等 | 第2位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 |
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滋賀 | 5月23日 | 三雲悠佑 | (大津) | 山中彰人 | (大津) | 八木聖真 | (大津) | 前田紹吾 | (大津) |
京都 | 9月11日 | 合屋龍 | (京都府警) | ||||||
大阪 | 9月11日 | 草野龍二朗 | (大阪府警) | 土谷有輝 | (大阪府警) | 髙優司 | (会社員) | 升田良 | (大阪府警) |
兵庫 | 鈴木賢起 | (グローリー 株式会社) | 阿部壮己 | (印南剣道場) | |||||
奈良 | 8月15日 | 中本孝則 | (奈良県立 郡山高等学校 教員) | 山田侑希 | (大和青少年文化 研修道場) | 杉村崇文 | (大和青少年文化研修道場) | 中平祥成 | (奈良県警察) |
和歌山 | 6月27日 | 吉田真佐義 | 瀧本翔太 | 小幡侑矢 | 池内暢斗 |
中国・四国
都道府県 | 開催日 | 優勝 | 所属等 | 第2位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 |
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鳥取 | 加藤竜成 | ||||||||
島根 | 7月18日 | 青木大晟 | (教員) | 竹田圭汰 | (教員) | 高木昌塁 | (刑務官) | 高瀬遼太 | (教員) |
岡山 | 7月3日 | 尾池智行 | (岡山刑務所) | 藤田智也 | (国士舘大) | 山中勝貴 | (岡山刑務所) | 犬養錬 | (立命館大) |
広島 | 6月13日 | 石田崇 | (教員) | 岡本達弥 | (近畿大学) | 西隆信 | (会社員) | 橋本浩幸 | (会社員) |
山口 | 8月28日 | 柴田駿介 | (警察官) | 川本聡一朗 | (警察官) | 廣野勇輝 | (警察官) | 妙見明洋 | (会社員) |
徳島 | 7月23日 | 白木恒二郞 | (名西支部) | 森康二 | (徳島支部) | 西田凌介 | (徳島支部) | 竹内直生 | (鳴門支部) |
香川 | 9月4日 | 松本和明 | (香川県警) | 内堀聡一郎 | (香川県警) | ||||
愛媛 | 9月26日 | 村上哲彦 | (愛媛県警) | 菅大二朗 | (西条市剣道連盟) | 桑原隆二 | (愛媛県警) | 濱田竜大朗 | (愛媛県警) |
高知 | 7月22日 | 西原地洋 | (高知大) | 中島 | (東海大) | 東野 | (中央大) | 松田 | (学剣連) |
九州・沖縄
都道府県 | 開催日 | 優勝 | 所属等 | 第2位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 | 第3位 | 所属等 |
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福岡 | 9月26日 | 牧島凛太郎 | (警察官) | 富松資国 | (警察官) | 國友鍊太朗 | (警察官) | 西村龍太郎 | (九州電力) |
佐賀 | 6月6日 | 永山貴大 | (佐賀少年刑務所) | 小川夢希也 | (中央大) | ||||
長崎 | 8月29日 | 黒川雄大 | (筑波大学・大学生) | 宮崎東平 | (学剣連) | 宮嵜大 | (朝日大学) | 開達志 | (長崎県警) |
熊本 | 8月14日 | 今村侑資 | (熊本刑務所) | 西村英久 | (熊本県警) | 澤田武秀 | (八代白百合教員) | 〆一司 | (九州学院教員) |
大分 | 7月18日 | 阿部剣征 | (別府大学職員) | 姫野翔 | (教員) | 髙倉聖矢 | (教員) | 堤光誠 | (筑波大学・大学生) |
宮崎 | 6月27日 | 木島飛翼 | (中央大・学生) | ||||||
鹿児島 | 星子啓太 | ||||||||
沖縄 | 9月23日 | 嘉陽宗隆 | (警察官) | 上江洌貴大 | (警察官) | 屋我飛翔 | (大学生) |
参考資料・試合動画等
北海道・東北
北海道剣道連盟
北海道剣道選手権大会の決勝リーグの試合が、YouTubeにてアップロードされている。下の動画は、決勝リーグの地白充大選手と安藤翔選手の試合である。
※当初、大会当日のライブ配信のアーカイブとしてすべての試合がアップロードされていると記していた。しかし、現在は決勝リーグの試合のみ公開されているようである。
関東
茨城県予選
茨城県予選では、佐々木陽一朗選手(高輪高校→筑波大学→教員)が優勝。佐々木選手は2013年インターハイ個人王者で、高輪高校の大将として玉竜旗・インハイ団体の準優勝を成し遂げている。掲載されている試合結果によると、決勝リーグ進出をかけたパート決勝にて、 佐々木選手が松﨑賢士郎選手(島原高校→筑波大学)を破っての全日本出場である。
栃木県予選
栃木県代表は大平翔士選手(佐野日大高校→筑波大学)である。大平選手は2018年のインターハイ個人王者だが、この前年の2017年は2年生ながらも準優勝しており、2年連続でインターハイ個人決勝に進出した実績がある。
東京都予選
レッツ剣道様より東京都剣道選手権大会当日のライブ配信、および試合動画ががYouTubeにアップロードされている。下の動画は竹ノ内佑也選手(福大大濠高校→筑波大学→警視庁)と、宮本敬太選手(水戸葵陵高校→国士舘大学→警視庁)の試合である。東京都から全日本選手権に出場する4名のうち3名が国士舘大学出身、2名は福大大濠高校出身である。
神奈川県予選会
神奈川県予選会では、決勝で勝見洋介選手(神奈川県警)が、村山仁選手(神奈川県警)を破り優勝した。神奈川県からは両名が全日本選手権に出場する。
北信越・東海
岐阜県予選
岐阜予選では杉田龍太郎選手(水戸葵陵高校→鹿屋体育大学)が優勝し、全日本選手権への切符を手にした。
愛知県予選
愛知県予選は久田松雄一郎選手(龍谷高校→早稲田大学→愛知県警)が優勝。
近畿
大阪府予選会
一部の試合がYouTubeにアップロードされている。下の動画は草野龍二朗選手(長崎西陵高校→鹿屋体育大学→大阪府警)の試合である。 上段の草野選手は鹿屋体育大学で主力として活躍し、2017年の全日本学生剣道優勝大会の団体準優勝に大きく貢献した。個人でも全日本学生剣道選手権ベスト16に入賞しており、僭越ながら個人的に最も注目している選手の一人である。
中国・四国
兵庫県予選
兵庫県剣道連盟:兵剣連だより
愛媛県予選
九州・沖縄
福岡県予選
トーナメント表はこちら。
福岡県予選は、 牧島凛太郎選手(島原高校→鹿屋体育大学→福岡県警)が優勝した。牧島選手は2017年の全日本学生剣道選手権で優勝、大学生個人チャンピオンを経験。大阪府予選優勝の草野選手、牧島選手が同じチームだった2017年の鹿屋体育大学は、全日本優勝大会で団体準優勝している。
2021年3月の全日本剣道選手権で優勝した松﨑賢士郎選手(島原高校→筑波大学)は、牧島選手の島原高校時代の2年後輩である。同じ島原高校出身者では、林田匡平選手(島原高校→筑波大学→福井県教員)が福井代表、 黒川雄大選手(島原高校→筑波大学)が長崎代表 。林田選手は2015年の学生個人王者であり、島原高校出身者の活躍が目立つ。
長崎予選
長崎県予選は、黒川雄大選手(島原高校→筑波大学)が優勝した。黒川選手は2018年の島原高校大将で、魁星旗・玉竜旗を制している。
2018年の高校剣道は、タレントが揃ったレベルの高い年であった。その中でも、今年の全日本選手権には栃木県代表として大平翔士選手(佐野日大高校→筑波大学)、宮崎県代表として木島飛翼選手(福大大濠高校→中央大学)などが出場する。
熊本県予選
熊本予選は、今村侑資選手(鎮西高校→大阪体育大学→熊本刑務所)が優勝した。今村選手は2014年全日本学生選手権3位などの実績があり、2021年3月の第68回全日本選手権熊本予選に続いて2連覇となる。
西村英久選手は2位となったが、熊本県剣道連盟によると「1年4カ月間を剣道から離れて1カ月前に稽古を再開した」とのことである。剣道経験者でなくとも、この状況からコンディションを上げるのがどれだけ困難か、容易に想像がつくだろう。
大分県予選
沖縄県予選
沖縄県剣道連盟・琉球新報
組み合わせ(トーナメント表)
全日本剣道連盟より、トーナメント表が発表された。
みどころ
私から見た第69回全日本剣道選手権のみどころをお伝えしたい。
様々な視点から見ることで、観戦の仕方が変化するのではなかろうか。
2013年高校剣道から
全国の名だたる強豪校で2年生から大将をつとめる、高い実力を持った選手が数多くいたのだが、大学進学後の実績もそれを裏付けることとなった。
全日本選手権にて、大学2年で梅ケ谷翔選手が第3位、大学3年で宮本敬太選手が同じく第3位となっているのだ。
高校時代から結果を残し、今大会に出場する選手を紹介する。
- 佐々木陽一朗選手
(高輪高校→筑波大学→教員)
2013年インハイ個人優勝、玉竜旗・インハイ団体準優勝。2017年インカレ団体優勝など。茨城代表。 - 宮本敬太選手
(水戸葵陵高校→国士舘大学→警視庁)
2年生から水戸葵陵高校大将。2017年関東学生個人優勝など。東京代表。 - 久田松雄一郎選手
(龍谷高校→早稲田大学→愛知県警)
2年生から龍谷高校大将。玉竜旗2年連続ベスト4など、四大大会で複数回の入賞。愛知代表。
2014年高校剣道から
前年の2013年はレベルが高かった。しかし、2014年に高校3年だった世代からはインカレ個人王者が3人も誕生している。大学在学期間が4年、その中で3名が優勝した。つまり、他の年の強豪を破っているということである。
九州学院高校が四大大会([高校剣道]四大大会 歴代優勝校 一覧(1980~2021))で、史上初の男子四冠を達成した年でもある。これに対し同じく四大大会にて、島原高校が2度の準優勝、育英高校が2度の準優勝を成し遂げている。その2校の大将が選手権大会に出場するのは、いかにレベルが高かったかを示している。
今回は、以下の選手を紹介する。
- 矢野貴之選手
(福大大濠高校→国士舘大学→警視庁)
2018年インカレ個人優勝。東京代表。 - 山田将也選手
(育英高校→明治大学→会社員)
2014年魁星旗・インハイ団体準優勝。愛知代表。 - 牧島凛太郎選手
(島原高校→鹿屋体育大学→福岡県警)
2014年選抜・玉竜旗準優勝。2017年インカレ個人優勝。福岡代表。
牧島選手は福岡県予選の準決勝で國友選手を破り、優勝している。さて、この牧島選手の選手権大会一回戦の対戦相手が、警視庁の畠中選手である。畠中選手の実績については言うまでもない、強豪中の強豪である。どちらかが二回戦に進むことができないのが、あまりにも惜しい組み合わせである。私が一回戦で最も注目している試合だ。
全日本選手権の王者
他でもない、全日本選手権の優勝経験者も3名出場する。真っ先に優勝候補に挙がるのも、この3選手ではなかろうか。
- 竹ノ内佑也選手
(福大大濠高校→筑波大学→警視庁)
2014年優勝。東京代表。 - 勝見洋介選手
(倉敷高校→鹿屋体育大学→神奈川県警)
2016年優勝など、2度の決勝進出を経験。神奈川代表。 - 國友鍊太朗選手
(福岡舞鶴高校→国士舘大学→福岡県警)
2019年優勝など、3度の決勝進出を経験。福岡代表。
筑波大学
筑波大学が圧倒している。
これは、2010年以降の11大会で決勝に進出した11人中、なんと5名が筑波大出身であることからも明らかである([最多は国士舘] 選手権大会出場選手の「出身校」を調査/全日本剣道選手権大会の8年分の出場者を探る)。ちなみに、11大会で決勝進出者11名と聞くと不思議に思うだろうが、これは同じ選手が複数回、決勝に進出していることによる。2位は中央大の2名で、他の大学は1名ずつだから、大差をつけていることになる。
直近では、2021年3月の第68回大会でベスト4以上となった4人とも筑波大出身で、優勝は4年生の松﨑選手であった。
今大会も筑波大学出身者が多く出場する。
九州出身者
Wikipediaにもあるように、2006年から2011年まで熊本出身者が6連覇している。
これを九州まで視野を広げてみると、2006年以降の15大会のうち13大会は九州出身者が制している。13大会の九州出身優勝者の出身地別内訳は次のようになっている。
- 福岡:1回
- 長崎:1回
- 熊本:7回
- 大分:3回
- 宮崎:1回
熊本や大分は、内村良一選手と西村英久選手の、それぞれ3回の優勝が含まれている。
高校剣道では圧倒的な強さを見せる九州勢。大学進学後も九州の高校出身者が実績を残している傾向がある。選手権大会も目が離せない。
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